退職手続き

会社を辞めるときのポイント・手続きをわかりやすく解説!退職の流れ

会社に行きたくない、違う仕事がしたい、会社を辞めようか悩んでいる、そう思ったときに、こんな疑問がないでしょうか?

  • どうやって会社を辞めるの?
  • 会社を辞めるには、どれぐらいの期間が必要なの?
  • 会社を辞める前に、考えておくべきポイントはあるの?

こんな疑問も含めて、この記事では、会社を辞めるときのポイント・手続き・流れを分かりやすく解説します。

管理職経験もあり、人事経験もあるキャリアコンサルタントの私が、会社側の視点も交えてお教えします。

この記事を読めば「退職の基礎知識」のすべてが分かりますので、ぜひ最後までご覧ください。

会社を辞める前に:退職とは?会社を辞めるってどういうこと?

退職とは、務めている職を辞めることです。退職には、「自己都合退職」と「会社都合退職」があります。

「自己都合退職」とは、自分の意思表示により、会社を辞めることをいいます。

「会社都合退職」とは、倒産や、会社の業績悪化に伴うリストラなどにより、会社側から退職するように要請があった場合をいいます。ちなみに、解雇も会社都合退職に当たります。

(上記分類とならない場合もありますが、ここでは分かりやすさを優先していますので、ご了承ください。)

この記事では、「自己都合退職」にターゲットを絞って、記載しています。

会社を辞めることのデメリット

会社を辞める前に、会社を辞めるデメリットは、最低限知っておいてください。

会社を辞めてから、「前の会社で働いていた方がよかった〜」という人を時々見かけます。

そういうことにならないためにも、抑えておくべきです。

会社を辞めるデメリットは・・

  • 給料が安定しない。
  • 会社の福利厚生(通勤手当・有給休暇など)が利用できなくなる。
  • 社会保険・厚生年金の負担額が大きくなる。
  • 所得税・住民税の手続きを自分でしないといけない。
  • 社会的信用がなくなるので、クレジットカードが作れないなど不便が発生。

給料、福利厚生、社会保険などは、ある程度想定できるのですが、クレジットカードは、忘れがちです。

退職後、転職直後など収入が不安定だとクレジットカードの審査が通りにくくなります。ですので、退職する前に、クレジットカードが必要であれば、作っておくことをオススメします。

上記デメリットを受け入れた上で、それでも会社を辞めたい、そう思うなら、退職しても、素晴らしい人生になると思います。

会社を辞めるメリット

次に、会社を辞めるメリットは・・

  • 会社での人間関係・仕事の不満が解消される。
  • 会社で拘束されていた時間を自由に使える。
  • 新しい生活が送れる。

会社は、一度辞めると後戻りは難しいので、辞める前には、メリット・デメリットをしっかり把握したうえで、自分の置かれている状況を考えながら、慎重に考えてください。その上で、辞めるのであれば、自分が決断したことなので、苦労することもあるかもしれませんが、納得のいく人生になると思います。

退職するまでの流れ・退職手続き

退職すると決心したら、退職するまでの流れは5ステップです。

  1. 退職することを上司に相談【目安:2〜3ヶ月前】
  2. 上司に退職願の提出【目安:1ヶ月前】
  3. 仕事の引き継ぎ・あいさつ回り
  4. 会社からの借用品等の返却および必要書類の受領
  5. 退職

退職することを上司に相談

まずは、会社に対して、退職することを相談する必要があります。具体的には・・

  • 相談相手:直属の上司(人間関係が悪い場合は、上司の上の方でも可)
  • 相談時期:2〜3ヶ月前
  • 相談場所:上司と1対1で、落ち着いて相談できる場所
  • 相談内容:退職理由、退職時期、有給休暇の消化

相談時期については、会社の就業規則に、退職願や退職届を提出する期限等が記載されている場合が多く、その期限から遡って相談する時期を決めてください。

退職の相談については、次の記事で詳しく書いていますので、気になる方はご確認ください。

退職時の言い方、伝え方、切り出し方|誰にいつ頃どこで伝えるか

また、退職前に、有給休暇を取得したい場合は、その期間や引き継ぎ期間も踏まえて、退職日を考える必要があります。

なお、有給休暇については、次の記事で詳しく書いていますので、気になる方はご確認ください。

退職時、有給休暇は消化できるの?拒否されない?買取りはできる?

一方、会社側にとっては、早めに上司に相談した方が、引き継ぎの手配など余裕をもった行動がとれるのでありがたいです。

就業規則とは、労働基準法に基づき、常時10人以上の労働者を使用する会社は、作成する必要があり、その中に、労働賃金や労働時間、労働条件などが定められています。

ちなみに、上司に退職のことを相談する際、とても緊張します。ですので、事前に、次のことを自分で考えておいてください。

  • なぜ退職したいか
  • 退職希望日はいつ頃か
  • 退職したいと上司に言った場合、どんな返答がくるか

会社にとっては、1人辞めるとなると、その分の仕事を誰かが負担しなければなりません。

退職を反対されるケースも十分に考えられますので、その場合はどのように答えるかも考えておいてください。

そして、会社と円満に退職したいという方は、次のことも配慮しながら、退職するとよいと思います。

  • 退職理由は、ネガティブなことを言わない。
  • 早めに上司へ退職する旨を伝える。(退職日の直前に言わない)
  • 引き継ぎをしっかりする。
  • 退職日は、会社の定期異動時期に合わせる。
  • 退職日は、会社の繁忙期を避ける。

円満退職は、基本的に、会社側の気持ちに立って、少しでも配慮できるとよいので、ぜひ心がけてください。

転職先の都合で、退職日が近くて、変更ができないというケースもあるかと思いますが、「退職理由はネガティブなことを言わない」は、ほとんどのケースで実施できると思います。

「この会社にいてもスキルが身につかない」「仕事が面白くなかった」などネガティブな理由は言わずに、「必要なスキルを身につける仕事がしたい」「◯◯の業界の仕事がしたくなった」などポジティブな退職理由を言うように心がけてください。

円満退職については、次の記事で詳しく書いていますので、気になる方はご確認ください。

円満退職にするためのコツ・ポイント|言い方、時期、配慮

上司に退職願の提出

退職する旨を上司に相談し、了承が得られたら、次は上司に退職願を提出します。

提出時期、提出先、書式などは、会社で決まっていることもあります。決まっていなければ、上司に退職の了承が得られたら、速やかに提出しましょう(目安は1ヶ月前)。

退職願については、次の記事で詳しく書いていますので、気になる方はご確認ください。

退職願・退職届・辞表の違い、いつまで、書き方|例文あり

仕事の引き継ぎ・あいさつ回り

仕事の引き継ぎ・あいさつ回りは、法律上の義務はありませんが、円満に退職するには、必要不可欠です。

引き継ぎのポイントは・・

  • 仕事内容を洗い出す(特に、自分しか知らない仕事は確実に引き継ぐ)
  • 洗い出した内容を、記録に残す。誰がどのタイミングでどのようにするか明確に!
  • ファイルや書類についても、分かりやすく整理・保管

あいさつ回りのポイントは・・

  • どこかでお世話になることがあるかもしれないので、会う時間がなければ、電話だけでもしておいてください。

会社からの借用品等の返却および必要書類の受領

会社に返却するもの

会社から貸与されたものは、必ず返却するようにしてください。トラブルの原因につながります。

  • 社員証、社章、名刺(取引先の名刺含む)
  • 健康保険被保険者証
  • 制服・作業着などの貸与品
  • 通勤定期券(会社から支給されている場合は返却要)
  • 会社の資料やプログラム等

会社から受領するもの

退職のとき、会社から重要な書類が渡されます。転職する際や失業手当を受ける際などに使用しますので、確実に受け取ってください。

  • 雇用保険被保険者証
  • 離職票
  • 源泉徴収票
  • 年金手帳
  • 厚生年金基金加入員証(退職前の会社で加入している場合は受領要)

退職

これで、めでたく退職です。

いよいよ次のステージが始まります。

でも、退職した後も、役所に行って、失業保険等の手続きが必要になりますので、そちらも忘れずに実施してください。

まとめ

この記事では、会社を辞めるときの手続き全般を紹介しました。

退職するまでの流れは次の5ステップになり、一つひとつ抑えれば、決して難しい手続きではありませんので、参考にしていただければと思います。

  1. 退職することを上司に相談【目安:2〜3ヶ月前】
  2. 上司に退職願の提出【目安:1ヶ月前】
  3. 仕事の引き継ぎ・あいさつ回り
  4. 会社からの借用品等の返却および必要書類の受領
  5. 退職

退職に関連する記事は、こちらでも紹介していますので、参考にしてください。

退職時の言い方、伝え方、切り出し方|誰にいつ頃どこで伝えるか

円満退職にするためのコツ・ポイント|言い方、時期、配慮

退職願・退職届・辞表の違い、いつまで、書き方|例文あり