退職するものの、会社によい印象を与えつつ、スムーズに問題なく退職したい、そんな悩みありませんか。
今後の人生においても、退社する会社、あるいは一緒に働いた人たちと関わる機会がないとは言い切れないものです。
この記事では、円満退職するために、
そんなコツ・ポイントをどのサイトよりも詳しく紹介します。
円満退職のコツと言えば、どこまで会社側に迷惑をかけないように配慮して退職するかということです。
会社側の立場として、管理職経験もあり、人事経験もある私が、円満退職の秘訣をお教えします。
円満退職したい方は、ぜひ確認いただければと思います。
なお、体験談は次の記事にもありますので、よければご覧ください。
円満退職とは、どんなことか、どんな配慮が必要か
円満とは、「物事のようすや人柄などが、調和がとれていて穏やかなこと。」
一方、退職は、退職者にとっては、新しい道に進むなどメリットもあるかと思いますが、会社にとっては、教育費などお金をかけて育ててきた人財が退職するということで、マイナス面しかありません。
従って、円満退職とは、退職者本人にとっては、できる限りメリットを、会社にとっては、退職というマイナス事象を最小限に抑えることとして、話を進めます。
言い方を変えると、退職者と会社が、トラブルなく、できる限り笑顔で退職できるかということです。
退職者本人にとっての、できる限りメリットとは、
- 転職先の出勤日に合わせた退職日にする
- 有給休暇を取得してから退職する
- 賞与を受領してから退職する(会社によっては、賞与前に退職を伝えると、社長等の判断で賞与が減額になるケースもあります)
会社(ここでは退職者のいる部署と限定します)にとって、退職というマイナス事象を最小限に抑えることとしては、
- 退職者の仕事が後任者にしっかり引き継がれる(取引先等に迷惑をかけない)
- 仕事の繁忙期は退職を避けてほしい
- 退職者の後任が異動等で補充される
以上を踏まえたうえで、退職者が譲れるポイント、譲れないポイントを考えて、退職日等を決めればよいと思います。
退職を伝える時期・退職予定日(目安)の決定
退職を上司に伝える前に、退職を伝える時期、退職者本人の退職予定日(目安)を決定します。退職予定日(目安)は、転職先の出勤日がある場合は、融通が効かない場合もありますが、円満退職をしたいなら、ある程度会社の要望も聞いた方がよいです。ですので、ここでは、退職者本人の退職予定日(目安)という書き方にしてあります。
それでは、ステップごとに分かりやすく解説していきます。
会社事情の情報収集
会社側の事情を事前に確認することで、会社に退職日を伝えた際、会社からの変更要望や嫌な顔をされるリスクが減ります。また、退職者本人にとっても、賞与を受けるタイミングなどメリットを最大限見込めることができるので、準備は大切です。
情報収集としては、会社の就業規則や同僚、先輩などから、次の内容の情報収集を行います。(ここでは、退職を伝える時期・退職日の情報収集ですので、退職手続きに関するものは含んでません。)
なお、退職手続きについては、次の記事で詳しく書いていますので、気になる方はご確認ください。
会社を辞めるときのポイント・手続きをわかりやすく解説!退職の流れ
補足として、
賞与は、職給に応じた金額と、個人査定に応じた金額などの内訳があります。
退職を伝えた場合、職給に応じた金額は、変わりませんが、個人査定に応じた金額は、上司などの管理職が「退職者には、賞与は不要だ」と考えれば、極めて低い金額になりますので、この個人査定に応じた金額がどの程度割合を占めているか確認し、できる限り高い賞与が欲しいなら、賞与を受領してから退職要望を伝えるべきです。
異動調整は、会社によりますが、異動時期の3ヶ月前〜半年前ぐらいになると、異動調整を実施します。会社側の理想を言えば、この異動調整の中に、退職者を考慮できていれば、後任者の補充ができるので大変助かります。例えば、4月異動であれば、1月上旬には、退職を上司に伝えたいところです。
退職者本人の要望の整理
次に、退職者本人の要望を整理します。
退職者自身の要望の整理を行いつつ、会社の配慮をどこまですべきか、このタイミングで整理しておきましょう。
有給休暇については、次の記事で詳しく書いていますので、気になる方はご確認ください。
退職時、有給休暇は消化できるの?拒否されない?買取りはできる?
退職を伝える時期・退職予定日(目安)の決定
退職者本人の要望を整理したら、退職を伝える時期・退職予定日(目安)を決定しましょう。
円満退職する上で、会社側への配慮として、最も欠かせないのが、引継ぎをしっかりやるということです。
引継ぎをしっかりやらずに退職すると、引継ぎ以外の配慮が素晴らしくても、会社に多大な迷惑をかけることになるので、引継ぎだけは最低限しっかりやってください。
引継ぎに関する期間の目安(仕事の規模によるので、参考例)として、
転職先の出勤日など、いろいろ考慮する必要がありますが、簡単に言うと、
退職日≒退職を伝える日+引継日+有給休暇日数+α
αには、退職手続きや上司との退職交渉などが含まれています。
これを踏まえて、退職を伝える時期・退職予定日(目安)を決定しましょう。
あとは、会社の就業規則で、退職日はいつまでに伝える必要があるかなどを抑えておきましょう。
法律上(民法)の扱い | 2週間前 |
就業規則の扱い | 就業規則による(1ヶ月前が多い) |
法律上(民法)は、退職の退職の2週間間前に申入れすれば、どんな理由があっても退職することができます(正社員の場合)。
ただし、会社としては、2週間前に退職の旨を伝えられても、退職者の要員補充ができない、引き継ぎができない、そんなことを踏まえると、最低1ヶ月前には退職の申し出をしてほしいという意味で、就業規則等で1ヶ月前と定めている会社も多いです。
(期間の定めのない雇用の解約の申入れ)
第六百二十七条
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
【出典:民法】
円満退職に向けた言い方
それでは、いよいよ、退職する旨を上司に伝えます。なお、ここでは、円満退職に向けた退職の具体的な言い方に絞って記載します。退職時の言い方、伝え方、切り出し方は、次の記事で詳しく書いていますので、気になる方はご確認ください。
退職時の言い方、伝え方、切り出し方|誰にいつ頃どこで伝えるか
円満退職に向けた言い方のコツ・ポイント
円満退職に向けては、前向きな退職意思を伝えることが大事です。
そのコツ・ポイントとしては、
①正直に伝える
人間、嘘をつくと、目や身体の動きが通常とは異なりますので、人によってはバレる可能性があります。万が一、バレると円満退職どころではありません。
ここで言いたいのは、何でも包み隠さず話すということではなく、思っていること、考えていることを書き出して、その中から退職しやすい言葉を選んで上司に言います。
「正直に伝える」と言うと、例えば、「パワハラを受けていて、それを伝えるんですか?」と聞かれることがあります。
パワハラしか、退職理由がなければ、それを言えばよいです。ただし、その場合、会社側がパワハラを改善すれば、退職しないのでしょうか・・?
そもそも退職理由は、いろいろあると思います。
- 上司からパワハラを受けている
- 仕事量が多くてつらい
- 憧れていた他業種の仕事がしたい
- 給料の高い仕事がしたい
- 地元に帰りたい
- 専業主婦・介護など
まずは、退職理由にあたることを全て書き出して下さい。
その中で、どれを会社側に伝えるか精査する必要があります。
②会社の不満は控える
会社の不満がある場合、それを正直に伝えてところで、会社側は気分を害します。また、そのことを直せば退職しないのではないかと考えるかもしれません。
退職者本人の不満を会社側が直してもらって、会社を辞めずに済むならその選択肢もありですが、それでも辞めるなら、会社には言わない方がよいでしょう。
不満を言うと、「会社側でも対策をするから、辞めないでくれないか?」と言われ、辞める時期が遅くなるだけです。
ですので、円満退職に向けては、会社の不満は控えましょう。
③会社側が応援したくなる退職理由を伝える
会社側が応援したくなる退職理由とは、会社側が「この人は、会社を辞めた方が幸せな人生を送れるな」と思うような理由です。
具体的には
- 将来、やりたい仕事があります(「転職先が決まっています」も含む)
- 企業がしたいです
- パートナーの転勤についていきます
- 親の介護が必要です
- 地元に帰って親と暮らしたいです
家庭の事情などプライベート関係、転職でやりたいことがある関係は、有効な退職理由ですので、この理由を中心に説明しましょう。
退職日は上司と相談して決定
円満退職に向けて、退職日は、退職者本人だけではなく、会社側の都合も聞いたうえで、決定する方が、会社側の納得感も高まります。
まずは、退職者本人の退職希望日を伝えて、できる限り会社の都合も聞いてあげるようにします(会社の無理なお願いは聞く必要はありません。聞ける範囲で・・)。その方が会社側も納得感が高まります。
ただし、転出先の出勤日が近く、退職日の変更は難しいときは、その旨を上司に伝えて、希望どおりの退職日とするように上司を説得しましょう。
言い方としては、
「個人的には、◯月◯日に退職したいと考えていますが、よろしいでしょうか。」
と伝えて、上司が、
「そんな早くは無理だ」「その時期は忙しいから、避けてほしい」
そんな返答があれば、こちらは、
「では、いつ頃ならよろしいでしょうか」
と聞き返しましょう。
こんな感じで、個人の意思を伝えたうえで、会社側にも選択肢を与えることが円満退職に繋がります。
まとめ
円満退職に向けたコツ・ポイントを紹介しました。
退職することになったものの、何かの縁で関わった会社ですので、お互いできる限り気持ちよく退社できるようにしたいものです。
退職日が近づいてくると、「どうせ辞めるし、適当に仕事やればいいや〜」そんな気持ちになりがちですが、最後まで、気を抜かずに、そして周りへの感謝の気持ちを持って業務にあたりましょう。