会社(上司)に「退職します」と伝えたとき、
そんなこと思いませんか??
会社(上司)は、部下から「退職します」と聞いたとき、何を思って、どんな行動をするのか、会社事情の裏側をご紹介します。
会社側の立場として、管理職経験もあり、人事経験もある、キャリアコンサルタントの私が、会社事情の裏側をお教えします。
この記事を見ると、退職者本人に対して、会社側は、悪口などのネガティブなことをあまり考えていないのでは?ということが分かると思いますので、心の負担が少しは解消されるはずです。興味のある方はぜひご覧いただければと思います。
退職したいけど、言い方や切り出し方などが分からないと考えている場合は、以下から読むことをオススメします。
会社にとって、退職されるとは|会社事情の裏側
会社にとって、退職されるとはどういうことか・・
結論から言うと、会社にとって、費用・労力をかけて育てた人財が辞めるのは非常に大きな痛手になります。また、現在の業務や職場にとっても、負担がかかるなど様々な影響を及ぼします。
では、どんな痛手になるのか紹介します。
人財が一人前になるまで
会社は、入社した人財を一人前にするために、多くの投資をしています。(ここで言う一人前とは、給料分の仕事をしているかどうか。)
その人財が辞めるとなると、会社にとっては、せっかく投資をしてきたのに・・ということで、大きな痛手になります。
では、社員が一人前になるまで、どの程度投資をしているのか?
それは、次のとおりです。
- 給料
- 福利厚生
- 一人前にするための教育関係費(人件費、出張費など)
- 採用に係る費用
- 仕事で失敗したときの費用(お客さまへの迷惑、物損、手配ミスなど)
新人が一人前になるまでには、1年から3年程度かかると言われています。その間、会社は、給料などを支払います。そして、一人前になった後も、しばらく仕事をして、ようやく上記の費用が回収されます。
会社にとって、お金は回収されるのですが、教育にかけた労力に対する時間は返ってきません。
また、せっかく育てた社員が辞めるとなると、また同じように人を育てる必要がありますので、会社は大きな痛手となります。
現在の業務への影響
現在、従事している業務について、退職者による影響は次のとおりです。
- 一人辞めることで、その人の仕事を周りが負担しなければならない
- 退職者がもっているノウハウ、取引先との信頼関係を誰かが築く必要がある
- 退職者の要員を他部署から補充するか検討する必要がある(上司・人事部署など)
退職者が出ることで、業務は停滞しますので、会社にとってはデメリットになります。また、周りにとっては、仕事の負担がかかりますので、同様にデメリットになります。
職場への影響
退職者のいた職場でも、いろいろな影響があります。
- 退職者が出たのは上司の責任では?と批判されることもある
- 上司は退職者との面談状況などの報告書のとりまとめが必要
- 職場の雰囲気が悪くなることがある(周りの仕事が忙しくなったり、ネガティブな噂が流れるため)
退職者の上司は、退職者に関する報告書のとりまとめや、職場の雰囲気の改善および体制の見直しなど様々な負担がかかります。
会社にとって、退職されるとは(まとめ)
会社にとって、退職されるということは、マイナス面しかありません。(会社側が経営不振等で退職されることを望んでいる状態のときは除きます)
理由は、退職者に対しての投資や、退職に伴う労力も発生するからです。
このことを理解すれば、後述する会社の行動は、マイナス面を打ち消したいという施策(退職を阻止する施策)をとります。
退職を聞いた会社の行動|会社事情の裏側
まず、退職を聞いた上司をはじめとした会社側の行動について、紹介します。
すべての会社・人には当てはまりませんが、一般的にはこのような行動をとっています。
上司の行動・気持ち
まず、退職を聞いたときの、上司の頭の中は次のとおりです。
- 退職されると、上司(上司の上司)や上位部署に、「どういうマネジメントしているんだ!」「理由は何だ?」と質問攻めにあうだろうなぁ
- いつ頃、上司(上司の上司)や上位部所者に、報告しようかなぁ
- 退職されると、周りの負担が大きくなるので、職場は、仕事が忙しくなるし、モチベーションが下がるどろうなぁ
とマイナス面なことが頭に浮かびます。
従って、この状況を打破するために、上司は、退職の申入れに対して、次の行動(質問)をとります。
- なぜ退職することになったのか
- 退職を止めることはできないか
- 退職時期はいつ頃か。できれば、少し先まで延ばしてもらえないか
中には、適さない態度で接する上司もいるかもしれませんが、上司も会社に説明する必要がありますので、上司が会社に説明しやすいように接することが円満な退職に繋がりますので、協力してあげる気持ちで接するとよいです。
特に、退職時期は、異動時期に合わせると、会社側も異動によるメンバー補充もできる場合があるため、職場も助かります。転職先からの出社日の指示等の困りごとがなければ、配慮してあげたいところです。
職場メンバーの行動・気持ち
次に、職場の先輩や同僚、後輩は退職を聞いたとき、頭の中は次のとおりです。
- 退職されると、仕事の負担が増えるなぁ
- 何か悪いことしたかなぁ
- 退職する原因は、○○ではないかなぁ
これを受けて、職場メンバーの行動は、
- 仕事の負担が増えるかもしれないので、職場が不安でざわざわする
- 退職原因を探して、噂が広まり、職場の雰囲気が悪くなる(上司や職場の人で、態度が悪いなどがある場合に多い)
- 退職を考えなおしてもらえないか、退職者本人へ声かけする
一般的には、職場の雰囲気は悪くなる傾向にあります。
退職者にとっては、よくないことが多いですが、退職者本人ができることは、残された仕事を一生懸命することが重要です。
まとめ
この記事では、退職を会社・上司に伝えたとき、どう思うかということをまとめました。
退職者本人は、この気持ちが分かって行動できれば、少しは不安が払拭され、円満退職に近づけると思います。
仮に円満退職になれないとしても、長い目でみれば、プラスになると思いますので、前向きに捉えて乗り越えていただければと思います。